2025/07/11 (更新日:2025/07/12)

ライフサイクル イノベーション

良書

  • ライフサイクルには最適なイノベーションがある!

ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション
著者:ジェフリー・ムーア (著), 栗原 潔 (翻訳)
出版:2006年5月
長さ:352ページ
出版社:翔泳社

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

    ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
    Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。

本書は、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つから成るライフサイクルに合わせて、イノベーションを起こし、事業を成長させるための本です。

市場は常に進化しています。企業もまた、変化に適応し進化し続けなければ、生き残ることはできません。

本書が焦点に当てているのは、企業が競争に勝つためのイノベーションの方法です。どんなに売っても差が出にくくなる成熟市場においてこそ、革新の力が問われます。


たとえば、コモディティ(誰が売っても価値がほとんど変わらない汎用品のこと)は、成熟期に蔓延します。従来の差別化は困難になります。

しかし本書では、「他社より上に立つ」という成熟期でも成長をもたらすイノベーションが解説されてます。

それは、競合と同じ土俵で争うのではなく、市場が想定している以上の価値を創出できるのです。

このような視点から、本書では導入期・成長期・成熟期・衰退期それぞれに適した14のイノベーションを紹介しており、100社の実例とともに解説されてます。

競争が激化し、価格や削減だけでは差がつかなくなったいまこそ、イノベーションが事業を押し上げる鍵となります。

【このような方におすすめ】
・成熟市場で差別化が難しくなってきたと感じている方
・自社の商品やサービスが他社との違いがないと感じている方
・イノベーションを起こしたいが、具体策が見えない方
・既存事業の成長が鈍化し、新たな打ち手を探している方
・競合との価格競争から抜け出したいと考えている方
・事業の再構築や再活性化に取り組みたい方

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者のジェフリー・ムーア氏は、キャズムグループの創設者であり、ハイテク企業向けに市場戦略とマーケティングのコンサルティングを行う第一人者です。

多くのベストセラーを執筆し、『キャズム』をはじめ、『トルネード』『インサイド・ザ・トルネード』など、テクノロジー業界に多大な影響を与えた作品を世に送り出しています。

アメリカを代表するビジネスコンサルタントの一人として、数多くのスタートアップ企業から大企業に至るまで幅広く支援を続けています。

【選書100冊候補】
キャズム ハイテクをブレイクさせる超マーケティング理論

本書を読むと、運や勘ではなく市場のサイクルに合わせて適切な対策が取れます。

本書から学んだこと

ライフサイクルとは、市場や商品、事業がたどる4つの段階(導入期・成長期・成熟期・衰退期)を示す概念です。時間とともに需要や競争環境が変化し、戦略も変える必要があります。それぞれの段階に合った打ち手が、事業の継続と成長を左右します。

イノベーションとは、新しい価値や仕組みを創り出し、既存の市場や行動に変化をもたらすことです。
技術、ビジネスモデル、顧客体験などのあらゆる領域で革新が起こることです。

そして、本書の内容でもあるライフサイクルイノベーションとは、市場の各ライフサイクル段階に応じて最適なイノベーションを仕掛ける戦略です。導入期は市場創造、成熟期は差別化、衰退期は再活性化など、目的が異なります。時期に合わせた革新が企業を継続成長へと導きます。

たとえば、導入期でイノベーションを起こしても、ライバルに真似され差別化はすぐにきえてしまいます。すると、一つの疑問がわきます。

「永遠にイノベーションの終わりがないのか?」それにイノベーションはそう簡単に成功できるものではありません。多額の費用をかけ、当たるかわからない勝負をしなければなりません。

しかし、本書で提唱する14のイノベーションは、ライフサイクルに合わせて行うため、高い確率で成功をもたらすことができます。

①製品リーダーシップのイノベーション(導入期~成長期)
製品そのものの革新性・新しさによって競争を制する段階で市場では「何が一番革新的か」が重視されます。
イノベーション例:破壊的、アプリケーション、製品、プラットフォーム

②成熟市場における差別化イノベーション(成長後期~成熟期)
完成に近づいた製品の基本性能での差がつきにくいため、周辺領域での差別化が勝負になります。
イノベーション例:製品ライン拡張、機能強化、マーケティング、顧客エクスペリエンス

③効率性・安定性の追求でイノベーション(成熟期~衰退期)
顧客は、革新性よりも信頼性・安さ・便利さを求め始めます。ここでは、原価低減・品質維持・業務効率化などが競争力となります。
イノベーション例:バリュー・エンジニアリング、インテグレーション、プロセス、バリュー・マイグレーション

④カテゴリー再生におけるイノベーション(衰退期)
すでに注目されなくなった古い市場・商品カテゴリを再発見・再定義し、価値を再生させるアプローチです。
イノベーション例:自立再生、企業買収再生

このように本書では、「製品起点」「体験起点」「効率起点」「再定義起点」といった多面的なイノベーション手法を、ライフサイクルの段階ごとに示しており、それが14種に体系化されています。

評価

  • おすすめ・・・★★★★☆(ライフサイクルとその解決がすごい)
    読みやすさ・・★★★★☆(説明が多い)
    学び・・・・・★★★★★(超勉強になる)

ライフサイクルに適切なイノベーションがあるとは思いませんでした。

ビジネスで導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つを経験されたことがある方は、本書を読むと分かり身が深いです。

さいごに

ビジネスを1周やってから読むと、すごい入ります。

あとは、現在の市場状況から適切なイノベーションを選択して実行することがよいです。

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