2025/10/15 (更新日:2025/10/14)
SNS時代の戦略兵器 陰謀論 民主主義をむしばむ認知戦の脅威
- 陰謀論は、今や人心を操る戦略兵器
SNS時代の戦略兵器 陰謀論 民主主義をむしばむ認知戦の脅威
著者:長迫 智子 (著), 小谷 賢 (著), 大澤 淳 (著)
出版:2025年1月
長さ:248ページ
出版社:ウェッジ
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- こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。
ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。
本書は、SNS時代において陰謀論が戦略的な兵器となりえるのかをマーケティングやプロパガンダの視点から解説した本です。
陰謀論とは、権力を持つ秘密結社や影の支配者といった存在が、自らの利益や野望のために、人工地震の引き起こし、大規模な思想誘導、あるいは戦争の勃発などの計画を秘密裏に実行しているとする考え方です。
これらの秘密の計画は、社会全体に対する大規模な搾取や詐欺を目的としており、その結果として、世界を裏から操り、真実を隠蔽していると主張されます。
真実を求める人々は、こうした「表の常識」の裏に隠された真の構造を暴こうと奮闘しています。しかし、その探究心や疑念、そして怒りといった感情は、往々にして外部の組織や勢力によって意図的に操られ、特定の方向へ誘導されることがあります。
本書では、いかにして陰謀論が人々の基本的な探究心、社会に対する疑念、既存権力への怒りといった内的な感情をターゲットにし、それらを増幅・変質させることで、人々の行動や社会的な決定を左右する強力な「情報兵器」へと転化していくのかを詳細に分析します。
特に、SNSという拡散力の高いプラットフォームが、このプロセスの戦略的な舞台となっている実態を明らかにします。
【このような方におすすめ】
・SNSにおける情報拡散の心理的メカニズムを理解したい方
・人々の感情や疑念を戦略的に誘導する手法を研究したい方
・情報戦・認知戦の時代におけるマーケティングのあり方を考えたい方
・陰謀論の構造をプロパガンダの視点から分析したい方
・社会的な意見形成の裏にある見えない力を見抜きたい方
・ブランドの風評被害や危機管理のヒントを得たい方
・情報の真偽が問われる時代に信頼性の高い発信をしたい方
このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。
本書を読むと、正しい情報と偽の情報を知ることで中立性を確保することができるようになります。
本書から学んだこと
・SNSでは、事件のニュースが流れると、偽情報と誤情報が拡散され、バズったり、炎上することになる。これには、ディープステート、イルミナティ、グローバリスト、ユダヤなどが織り込まれることになる。
・陰謀論は、主張が過激なため、拡散がされやすい。その後、フェイクニュースで敵対組織をおとしいれたり、自身の注目度を上げようとする。
・情報戦では、有権者にわかりやすい「敵」がいることで、説明がしやすくなる。
・陰謀論は、サブカルチャーから影響力のある工作ツールの役割に変わりつつある。情報操作型のサイバー攻撃は、相手の情報システムの破壊を目的にSNSやマイクロターゲッティングのウェブ広告で心理や認知に影響を与えている。
・SNSでは、利用可能性バイアス(思い出しやすい情報や最近の出来事に基づいて判断してしまう傾向)と確証バイアス(自分の信念や仮説を裏付ける情報ばかりを探したり、重視したりする傾向)が起こりやすい。アルゴリズム上でタイムラインに載りやすかったり、視聴の時間や回数でレコメンドされやすくなる。
・得た情報をすぐに判断してはならない。
・ネットで世界が戦争の観戦者となった。ガザを無差別に爆破するイスラエル軍と拡散され、ハマスへのいいねが増えると、攻撃をストップせざる終えなかった。これを「いいね!戦争(LikeWar)」と名づけ、観客を意識した戦争による認知戦まで繰り広げられた。
・陰謀論は、情報操作型サイバー攻撃で武器となっている。
名言
- 人は軍隊の侵略には抵抗するが、思想の侵略には抗えないものだ。 ヴィクトル・ユーゴー「ある犯罪の物語」
評価
- おすすめ・・・★★★★☆(陰謀論をかなり客観的にみている)
読みやすさ・・★★★★☆
学び・・・・・★★★★★(情報量がすごい!)
本書の良い点は、反陰謀論のように陰謀論を信じる人は頭がおかしいといった主張でもなければ、陰謀論が世界を支配しているということでもなく、陰謀論とはなにかを客観的に世の中に出回っている情報と真実の違いを分析されていることです。
中立的な客観性が陰謀論を冷静にみることで、陰謀論の世界でバズや炎上が起こっていることに対して、冷静な判断ができているのだと思います。
ただただ、出回っている情報が真実であるのか、それとも、フェイクなのか、証拠をみつけられないものなのか、2018年頃から2024年までに世の中でいわれてきた事例とともに解説されてます。
読んでいて面白いです。Twitterのフィードをみる感覚で読めますし、本書の方が超有益です。
さいごに
陰謀論は、ネットも楽しいですし、本も楽しいですね。
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