2025/10/06 (更新日:2025/10/06)

情報分析力

超有益

  • 情報が足りないのではない。正しい情報の分析ができていなかった。

情報分析力
著者:小泉 悠
出版:2024年10月
長さ:192ページ
出版社:祥伝社

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

    ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
    Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。

本書は、ロシア軍事の専門家がビジネスマン向けにロシアウクライナ戦争の状況を例に情報収集や分析の方法を解説した本です。

「それは起こらないだろう」と思っていた「ロシアによるウクライナ侵攻」があったように、まさかが起こる時代となりました。

しかし、それらは予兆がなかったかというとそうではありません。その出来事が起こる前には不穏な動きがあったのです。それでも確信を得るような予測ができなかったのです。

予兆があっても予測できないというのは、情報が足りないのではなく、適切な情報を分析ができなかったことにあるということ。

本書では、朝起きたときに経済新聞ではなく、ロシア軍の機関誌「赤い星」を読まれている著者が軍事という得ることが難しい他国の情報をいかにして収集し、最適な形に分析とアウトプットしているかが書かれてます。

【このような方におすすめ】
・不確実性の高い時代に正確な状況判断を下したい方
・情報収集と分析のスキルを根本から鍛えたい方
・まさかの事態を予兆から読み解く思考法に触れたい方
・大量の情報の中から本質的な意味を抽出したい方
・入手困難な情報を分析・アウトプットする方法を学びたい方
・予測が外れる原因を情報不足ではなく分析手法に見出したい方

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者は、民間企業勤務、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMORAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所特別研究員を経て、東京大学先端科学技術研究センター(国際安全保障構想分野)准教授になられました。

ロシアの軍事・安全保障を専門に新領域セキュリティの諸課題に関する研究をされてます。

本書を読むと、情報発信者が持つ分析方法と似たようなところもありながら、軍事情報を取得する難しさなどの独自性が学べます。

本書から学んだこと

・情報には、フェイクが入りやすい。誰でも情報発信できるがゆえに、生情報が多いとフェイクも広がりやすくなる。

・情報分析は、料理に似ている。食材(情報)をいかに調理(分析)するかにかかっている。それで料理(インテリジェンス)が出来上がる。

・バックグラウンドにあたる何人の兵がいて、どうやって集まったかなどの正確な状況があるだけでその後の情報処理が変わる。

・毒の入っている料理を食べさせようとして「毒が入ってる」ということがないように意図を隠していることはあたりまえ。

・信頼のおける隣接分野の専門家に頼る。

・収集した情報は、役に立つ形に変換する。

・情報分析(インテリジェンス)の材料は情報(インフォメーション)がある。材料の集め方、バックグラウンド情報、コア情報、足で稼ぐ情報がある。

・情報分析に必要な情報は、多額の費用をかける。

・情報収集では、何を目的にするか決めます。それによって、調査で得る情報の解像度が変わる。

名言

  • それはないだろう」が「ある」時代 P3

    「なんとなく興味がある」は強い P36

    「書く」ことこそが最強の情報収集術である P93

評価

  • おすすめ・・・★★★★☆(情報収集と分析の超有益な本)
    読みやすさ・・★★★★☆
    学び・・・・・★★★★☆(ロシアウクライナ状況までわかる)

本書は、情報収集や分析の方法が学べることをあたりまえに、ネットやニュースの情報しかなくてもロシアウクライナ情勢がわかるように解説されてます。

しかも、ビジネスマンが興味を持てそうな範囲までしか情報が書かれていないことも魅力です。

あまりにも詳しいと、読むことが大変だったり、「それはいらないんだけどなー」となってしまいますが、本書はすごくきりのよいところで仕上げてくれてます。

文章は読みやすい、戦争の状況がわかりやすい、分析方法まで学べるという超有益な本です。

さいごに

情報収集や分析に偏り過ぎず、人間の興味などにも言及され、視野の広い方であるということがわかります。

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