2025/09/30 (更新日:2025/09/30)
「ザクとうふ」の哲学 相模屋食料はいかにして業界No.1となったか
- 成熟市場で本質的なイノベーションを起こす考え方!
「ザクとうふ」の哲学 相模屋食料はいかにして業界No.1となったか
著者:鳥越 淳司 (著), 夏目 幸明(構成) (その他)
出版:2014年9月
長さ:240ページ
出版社:PHP研究所
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- こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。
ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。
本書は、「超」成熟期のとうふ産業でイノベーションを起こし、6年で売上4倍を達成された方法や考え方について書かれた良書です。
とうふの始まりは、中国で2200年前、日本には平安時代の1183年に渡ったとされてます。
それから、水や豆や製法にこだわったとうふ、ゆずや枝豆などを混ぜたり、ショコラなどの甘いとうふが出ました。
この超成熟期を迎えるとうふ産業で20歳から34歳にあたるF1層の女性をターゲットに「ザクとうふ」を販売されたのです。
イノベーションを起こし、急成長を遂げた会社がおとうふメーカーの相模屋食料株式会社です。本書では、その考え方が書かれてます。
【このような方におすすめ】
・成熟市場で新しい需要を創造したい方
・既存の商品やサービスでイノベーションを起こしたい方
・固定観念を打ち破る商品開発や企画のヒントが欲しい方
・ニッチな市場でトップシェアを目指す戦略を学びたい方
・伝統的な産業におけるブランディングやマーケティングを考えたい方
・ターゲット層の心を掴むアイデアの発想を学びたい方
このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。
本書を読むと、イノベーションの起こし方や大成功する事業の考え方が書かれてます。
本書から学んだこと
・カメラがフィルムからデジカメになり、スマホで撮影するようになったように商品には「変化の一瞬」がある。「白くて四角いものだけがとうふじゃない!」という考え方を持たれてます。
・白くて四角いとうふは、マス(大衆)向け。白くて四角いとうふ以外でニッチに向けて売る。
・ガンダムではなく、ザクのとうふだった理由は、一機しかいないガンダムを店頭に並べるとファンの心理に違和感を与えるから。
・ビールのつまみランキングの1位と2位はいつも枝豆と冷奴。ザクが緑なので塩味をきかせた枝豆風味となった。
・作る前に数々の問題が想定され、費用対効果がみえませんでした。しかし、費用対効果を考えていたら話が進みません。
著者は、ガンダムが好きでコラボを実現したかったのです。
・事業には器がある。既存の市場や事業の器では勝機はなく、これを創り出さなければ生き残れない。
・差異化とは、競合他社や競合商品との違いを明確にし、市場で別のものとして区別される独自の立ち位置や価値を確立すること。
差異化と差別化の違いについて。差異化は競合とは異なる独自の「軸(土俵)」を作って比較を回避し、別のものとして区別される戦略であり、差別化は競合と「同じ軸」の上で優劣を競い、より優れていると顧客に選ばれるための活動であること。
・専門性を持つと「これが俺の技術だ!」と視野が狭くなる。そして、既存の形を王道として、それから外れたものを邪道と評する。これは、害悪でしかない。
本来は、お客様の視点で最もよいものをつくらなければならないから。
名言
- 大人気ない大人たちの挑戦 P40
「おとうふをおもしろくする!」というコンセプトのもとに開発された「ザクとうぶ」。 P44
評価
- おすすめ・・・★★★★★(ニッチ商品のイノベ見本・考え方も素晴らしい)
読みやすさ・・★★★★★
学び・・・・・★★★★☆
ザクのとうふは、入口で著者のビジネスに向けた考え方が素晴らしい。
そして、本はノウハウの要点がまとまっていてわかりやすいし、勉強になる!
本の構成が素晴らしい。
ニッチ産業向けにビジネスをするとき、本書はおすすめです。
さいごに
著者のシンプルさ、論理的であり、ガンダムとコラボしたいという思いも素晴らしい。
本書は、読んでよかった本です。
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