2025/09/13 (更新日:2025/09/13)
高いから、売れる。 125年続く近江牛の老舗社長が教えるブランド管理術
- 神ブランドは神顧客とともに P172
高いから、売れる。 125年続く近江牛の老舗社長が教えるブランド管理術
著者:永谷 武久
出版:2022年5月
長さ:224ページ
出版社:イースト・プレス
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- こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。
ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。
本書は、近江商人の哲学で近江牛ブランドを販売する老舗が商品の値段が高くても、売れ続けるブランドのつくり方について解説した本です。
結論からいうと、素晴らしい良書です。
一つのブランドで成功した本は多くありますが、その中でも近江商人の考えをもとにしたノウハウの深さと、著者が歩んできた過酷な人生が素晴らしい成果につながったことがわかる一冊です。
著者は、滋賀県の高島で明治29年に創業。400年続くブランド近江牛の生産と販売を行っており、大吉商店の4代目になります。
年商2億円で事業を引継ぎ、世界コンテストや海外ブランド展開の成功もあり、30年で年商19億円にまで成長しました。
滋賀県近江といえば、近江商人の哲学です。有名なのは、三方よしです。売り手よし、買い手よし、世間よし。「近江商人の商売十訓」など、買い手に得を与える精神で近江牛のブランディングに成功してきました。
どのような精神で近江牛ブランドを前進させてきたのか、本書で解説されてます。
【このような方におすすめ】
・ブランドを長期にわたり成長させたい方
・値段が高くても選ばれる仕組みを学びたい方
・近江商人の哲学や三方よしの精神に関心がある方
・地方の伝統や老舗ビジネスを現代に活かしたい方
・顧客とともにブランドを育てる視点を持ちたい方
・マーケッターや経営者としてブランディングを深めたい方
このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。
本書を読むと、「高値で売る」ことの抵抗が減り、ひとつのブランドを確立するヒントが得られます。
本書から学んだこと
・安いものは売りやすいがために、モノの値段を安くしてしまうと、必ず取引先の生産者か、販売者が利益を圧迫することになります。それでは、三方よしの売り手よしにはならないため、高くても納得する品質で適正な値段をつけて売る。
・安いものをつくる何よりの問題は、自分たちの力を出し切らないこと。
・産地直送ビジネスを始めて、47都道府県の郷土料理を研究。日本中を回ると知らない食材が多かった。
・「世界に通用する風土食」をつくるために一点突破で全面展開の戦略を取った。
名言
- 「自分たちが『合格だ』といえるものでなければ絶対に世にださない」 P5
「この会社の商品なら安心だ」「高くてもこの会社の商品が買いたい」という気持ちになったとき、初めて「ブランド」が生まれます。 P100
神ブランドは神顧客とともに P172
評価
- おすすめ・・・★★★★★(近江商人の教えを事業に落とし込んだ深さがあります)
読みやすさ・・★★★★☆
学び・・・・・★★★★★(ブランドノウハウがすごい!)
ブランド確立の成功を一冊にまとめた本を読んできましたが、本書はその中でも老舗の深さがあります。
また、代替わりして成果を上げた実力と人としての深さが本書から伝わるブランドの良書です。
ブランド確立、近江商人の考えを学びたいという方は本書です。
さいごに
事業継承から不運つづきすぎて言葉になりません。ストーリーも、教えも良書です。
心打たれる一冊です。
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