2025/09/12 (更新日:2025/09/12)

地方創生大全

良書

  • 地方創生は会社経営と変わりなかった。

地方創生大全
著者:木下 斉
出版:2016年10月
長さ:304ページ
出版社:東洋経済新報社

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

    ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
    Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。

本書は、少子高齢化や東京一極集中、人口減少による財政の圧迫など多数の課題を抱える地方が、どうやって繁栄を得ることができるかについて28のアイデアが語られた本です。

地方創生とは、日本政府や自治体が「地域の持続的な発展」を目指す政策や取り組みを掲げる総称です。正式名称は「まち・ひと・しごと創生」と言い、2014年に「まち・ひと・しごと創生法」が制定され、政府一体となって推進されています。

地方創生が提唱されたのは、2014年の地方消滅論です。元総務大臣の増田寛也氏の著書『地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減』で示された理論です。

このままでは日本の人口減少が加速し、特に若い女性が都市部に流出することで、2040年までに全国の約半数の自治体が消滅する可能性があると警鐘を鳴らしたものです。

若年女性の人口減少が特に深刻で、このままでは地域のコミュニティが維持できなくなると指摘されてます。

このことから「地方創生」という言葉が国の政策として、進められてきました。しかし・・・

地方創生は、地域の経営でありマーケティングであるということ。地域ごとに新たな価値を生み出し、差別化をはからなければならない状況でありながらも、地方事業で強みをつくりだすことが難しく、一部の地方でしか成功事例を産み出せていないことが現実です。

地方では、「何に取り組み」「どのような資源があるかヒト、モノ、カネ」「組織としてどう取り組むべきか」が問われてます。

【このような方におすすめ】
・地方創生を企業経営やブランド戦略の視点から理解したい方
・地域資源を活かしたマーケティング手法に関心がある方
・自社ビジネスで地域ビジネスの視点を入れたい方
・人口減少や市場縮小のなかで新しい需要創出を模索している方
・自治体や企業のコラボレーションによる事業づくりに興味がある方
・ローカルマーケティングを自社の事業展開に応用したい方

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者は、早稲田大学高等学院、在学中に全国商店街合同出資会社の社長に就任。一橋大学大学院商学研究科修士課程の在学中に経済産業研究所、東京財団などで地域政策系の調査研究業務に従事。

一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立、代表理事就任。内閣官房地域活性化伝道師や各種政府委員も務める。

本書を読むと、地域ビジネスを視野に入れた自社ビジネスの検討ができます。

本書から学んだこと

・集めるべきは人数よりも一人あたりの消費単価。

・地方創生でまず手を出すのがゆるキャラ。くまモンやひこにゃんをはじめ、税金が投入され1500を超えるゆるキャラが誕生。

「経済効果」という目に見えない根拠のない数字に惑わされてしまうけれど、そんなに単純なものではないということ。

  • 何かが伸びれば何かが減るというトレードオフの問題と、さらに何かが伸びるとしても青天井ではないという供給のボトルネックが存在するという問題の2つがあります。P31

・特産品がおいしくない、手間がかかって値段が上がる、必要なのは営業努力。

・一つの事業で複数の政策を実現しようとした。事業もうまくいかず、政策も失敗。

・すべての責任が不透明になると、コンサルを変えたり、だらだら事業継続をしようとする。つぶれるよりも、つぶれかかっているときに支援が高くつく。

評価

  • おすすめ・・・★★★★☆
    読みやすさ・・★★★★★
    学び・・・・・★★★★☆

「うわ~。わかるー!」と思いながら読んでました。

「特産物がおいしくない」というのは、本当で手間をかけた分、人件費がかかり値段が上がって味が普通ということが多いのです。

すると、「大手のいつもの味で安い方がいいじゃん。」という結果になってしまうのです。

本書に書かれていることは、地方創生をされている方には、耳の痛い話かもしれませんが、事業者には地方ビジネスに関わる一歩ともなります。

「地方創生」の教科書であり、興味をもつきっかけになる本でもあります。

さいごに

地方創生と会社経営は、規模が違うだけで抱えている問題や対策が同じであることがわかりました。

ただ、組織形態が会社は社長が責任を取るので全力でやりますが、地方は失敗しても借金を負う責任者がいないので、そこが一般人が「え、そこでそれする?」ということが起こるきっかけになっているのとわかります。

もし、地方創生を内閣府でやる場合、政策目標の未達成で支援金の全額を税金としての借金を組織トップと役員がかぶり、返済は税金の税率による対応となれば、経営者と同じように死ぬ気でやるんだろうな。と思いました。

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