2025/05/08 (更新日:2025/05/08)
蔦屋重三郎のバズる力
- 才能を集めて文化を育てた出版プロデューサー
蔦屋重三郎のバズる力
著者:鈴木 博毅
出版:2025年2月
長さ:2ページ
出版社:ビジネス社
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- こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。
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蔦屋重三郎氏(つたや じゅうざぶろう)は、江戸時代の出版業を通じて歴史に残る文化人を支援し、町人文化の発展に大きく貢献した人物です。
現代風にいうと、歴史に名を遺す文化人の出版プロデューサーとして、本の出版と育成をされた分ワンプロデューサーです。
- 【詳細】
1750年~1797年の江戸時代中期から後期にかけて活躍した出版業者(版元)であり、浮世絵や黄表紙などの娯楽書の出版を通じて、江戸の町人文化の発展に大きく寄与した人物です。
幼少期に喜多川家の養子となり、屋号「蔦屋」を継ぎました。1773年に吉原で書店「耕書堂」を開業し、吉原細見『籬の花』を刊行して成功を収めました。
喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎などの浮世絵師や、山東京伝、十返舎一九、曲亭馬琴といった戯作者の作品を出版し、文化への多大な貢献で彼らの才能を世に広めました。
2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の主人公としても注目されてます。
なぜ、彼を取り上げた本が出版されたのかというと、歴史に名を遺すほどの人たちをプロデュースする能力やビジネスの視点が秀でているにも関わらず、彼の成功だけ取り上げられ、本質的なことや戦略についてふれられなかったからです。
本書では、蔦屋重三郎氏の時代背景や彼の生き様から、彼の「べらぼうなビジネス戦略」を著者が数々の資料から考察してまとめてくれてます。
【このような方におすすめ】
・歴史に名を残す人物の戦略に興味がある方
・出版業やコンテンツビジネスに関心がある方
・江戸時代の文化や町人文化に興味がある方
・顧客創造やマーケティングに関心がある方
・プロデューサーやクリエイターとしての視点を磨きたい方
・蔦屋重三郎の生涯や功績に関心がある方
このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。
著者は、多数の本を出版されているマーケティングコンサルタントです。
本書を読むと、今までとは違うビジネス戦略の視点が得られます。
本書から学んだこと
本書では、蔦屋重三郎氏の生い立ちで22歳で最初のビジネスとして、「吉原細見」を遊女向けに出版しました。
自身が育った街でニーズのあるニッチな業界で遊女が通りやすい立地にも恵まれ、「吉原細見」はロングセラーとなりました。
- チャンスが来るまで、有利な手札を入手するまで動かない P33
すでに売れているものを扱う P42
ときに大胆な戦略を取りながらも、大変慎重にビジネスを進める方でした。
本書で学んだ素晴らしい点は、2つあります。
一つ目は、蔦屋重三郎氏の人脈の広げ方です。会派・流派のトップと親交を持ち、人脈は上流から下流につなげていくということです。
門弟が師範に人を紹介しても相手にされなかったりしますが、師範が門弟に人を紹介すれば、師範と同じように敬われます。そして、広がるスピードも速いです。
二つ目は、文化人となるまでの人々を見抜き育てた才能を引き寄せる能力です。
人が集まる魅力的な場所を創り上げたということです。立地はすでに人が集まる場を使うこと、そして、有名な人に起用して人が寄り集まるようになる。すると、有名な人ではなく、「その場」がブランドとなり人が集まるようになるのです。
このようにして、適切な場をつくると才能が集まるようになり、人々から魅力的な場にみえるようになり、魅力的な場に若い才能が集まるという流れです。
その他にも市場を創造するイノベーション、売り方の広げ方など解説されてます。
評価
- おすすめ・・・★★★★☆(とにかくおもしろい!思わず読み入ってしまう)
読みやすさ・・★★★★☆
学び・・・・・★★★★☆(現代のマーケッターとは違うイノベーションの発想)
蔦屋重三郎氏の物語を読むようにビジネス、マーケティング戦略、イノベーションが学べて、現代のマーケッターとはまったく違う視点を学ぶことができます。
江戸時代の資料が豊富で信ぴょう性が高く、ここまで情報を集められるのも大変だっただろうな。と思います。
「第2章の「場」を作り、才能を引き寄せる」は、特におすすめです。蔦屋重三郎氏がなぜ、後世に語り継がれる人になったのかがわかります。
さいごに
難しそう雰囲気かと思ったら、江戸の情報は信ぴょう性を高めるためでマーケティングがベースで解説されているので超わかりやすくおもしろかった。
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