2025/02/24 (更新日:2025/02/24)

奇跡のパン 日本中で行列ができる「乃が美」を生んだ「超・逆転思考」

書評

  • パン職人の常識よりも、顧客が食べたいパンをつくった

奇跡のパン 日本中で行列ができる「乃が美」を生んだ「超・逆転思考」
著者:阪上 雄司
出版:2018年11月
長さ:192ページ
出版社:KADOKAWA

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

    ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
    Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。

本書は、1日5万本売れる高級な生食パンの「乃が美」について書かれた本です。

「乃が美」の食パンは、手でちぎれるほどやわらかく、一口食べたら止まらないといわれ、一本800円と普通の食パンの2倍以上の価格でありながら、開店前から何十人も大行列ができるほど人気です。

2013年に大阪で創業。2018年に全国104店舗にまで広がり、SNSやメディアで話題となりました。

「パン・オブ・ザ・イヤー金賞」「Yahoo! 検索大賞2017食品部門賞(2017年)(2018年)」を受賞してます。

1日5万本も売れる食パンは、どのようにして生まれ、どんな販売方法で成功したのか。

【このような方におすすめ】
パン屋はあまり同業の本は好きではないかもしれませんが、イノベーションを起こしたいパン屋にはおすすめです。あとは、行列ができる商品開発を知りたい方です。

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者は、2013年に高級「生」食パン専門店の乃が美を創業。5年で全国展開し、1日5万本売れるパンに育て上げました。

本書を読むと、乃が美の食パンが食べたくなります。また、商品開発のイノベーションが起こる瞬間に立ち会えます。

本書の内容

序章で「乃が美」のパンの素晴らしさが語られました。これだけで奇跡のパンを一度は食べたくなります。

第一章で幼少期に社長を目指そうと思たきっかけや、その後の人生。第二章で奇跡のパン誕生の話です。第三章で100年続く、歴史に残る、日本一の食パン専門店を目指して、お店の開店。

第四章では裏路地に出して、安い賃料で行列をつくり集客する方法など。

・1日5万本も売れる食パンとは
・「乃が美」が売れなかった時代
・大ピンチで生まれた高級な生食パン
・1万時間は本当にいいものに使う
・実現できたのは全員素人だから?

本書のみどころは、食パンが開発されるときに起こったイノベーションです。

評価

  • おすすめ・・・★★☆☆☆(著者の食パン愛と視点が素晴らしい!)
    読みやすさ・・★★☆☆☆(読みやすいですが、自伝から始まり読むのがきつい)
    学び・・・・・★★★☆☆(本書の構成が変わり、パンと著者の意見が書かれたら素晴らしい本になる)

本書の素晴らしい学びは、「パン職人の常識よりも、顧客が食べたいパンをつくった」に尽きると思います。

著者は、業界知識がなかったから、腰折れ寸前の食パンという業界タブーに挑戦したと書かれてますが、本書の中で普通では得ることのできない視点が物事を見られてます。

たとえば、「食べ放題のシステムで食べ物への愛情の欠落を招く。」「デフレ時代には価格競争と花盛り」という言葉や、パンづくりを始めることを周りにいったとき、「なんでパンやねん」とみんなに否定されたとき「でもな、これを人生最後の仕事にしようと思ってんねん P65」といってみんなが応援してくれたり、「歴史に残るパンを作りたいんです P73」という熱い思い。

食パン専門店で100店舗を超える能力がところどころ垣間見れました。もっと、その部分を追求した本ならとんでもない良書になっていたのだと思います。もちろん、本書でも十分勉強になるのですが、構成の順序が。というのが感想です。

構成についての正直レビューをすると、序章でパンの素晴らしさが語られ、パンにすごい興味を持ちました。今度、1つ買って食べてみたいと思ったほどです。

ただ、第一章に入り著者の自伝が始まり、まだパンに少しの興味を持ったところで著者に興味を持っていない段階で自伝が始まったので、スピード感についていけませんでした。

第二章でパンの話が出て、第三章で開店してやっと著者に興味を持ちました。

Amazonレビューでは、創業評価は3と低く、「自社宣伝」や「自分語り」といわれてますが、奇跡のパンを愛するがゆえのよさを語っているだけで、宣伝を目的として学びのない本とは違う印象を受けました。

また、ところどころ、著者の意見が本質をついており、学びになります。

さいごに

業界人は、イノベーションを起こせない。若者とよそ者が起こす。という言葉を聞いたことがありますが、著者はその通りでした。

さいごのさいごに

今度、川崎店に行ってみたいと思います。

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