2025/02/06 (更新日:2025/02/05)

「フォロワー」のための競争戦略

書評, 有益

  • 「選択と集中」で勝負をかける前に読む本

「フォロワー」のための競争戦略
著者:手塚 貞治
出版:2014年6月
長さ:245ページ
出版社:日本実業出版社

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

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本書は、競争地位の4類型で市場における企業の立ち位置の3番目にあたるフォロワー向けに書かれた企業の生き残り戦略です。

フォロワーは、企業としての特徴がなく、その他大勢に分類されやすく、経営はできているものの一つ抜きんでることができていない企業です。

そのようなフォロワー企業は、「強み」「独自性」を持ち、市場シェアを広げることを夢見て、「選択と集中」を選びがちです。

最もよさような選択にみえますが著者は、フォロワー企業の「選択と集中」は危険であることを述べてます。なぜなら、「選択と集中」はハイリスクハイリターンだからです。

では、どのような戦略をとるべきなのか、著者がつくりあげた「リスクヘッジ競争戦略」では5つの視点と12の体系化された戦略が紹介されてます。

【このような方におすすめ】
・その他、大勢から抜けられない方
・強みがみつからない方
・新しいチャレンジをしていない方
・今までより一歩先に踏み出したい方

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者は、株式会社日本総合研究所の総合研究部門部長です。経営戦略のプロでコンサルティング等されてます。

本書を読むと、フォロワーからチャレンジャーになる挑戦にリスクを減らすことができます。

本書の内容

競争地位の4類型とは、市場における企業の立ち位置を4つのタイプに分類したものです。それぞれの企業は市場でのシェアや戦略によって異なる役割を持ち、適切な戦略を選択することで競争優位性を高めます。

1. リーダー(Leader)

市場で最も大きなシェアを持つ企業です。業界の基準を作り、価格や商品戦略、マーケティングの方向性を決定する影響力があります。安定したブランド力を活かしながら、新しい技術やサービスを導入し、市場の成長を促す役割を果たします。競争相手からの挑戦に備え、常に革新と市場の防衛を意識する必要があります。

2. チャレンジャー(Challenger)

リーダーに次ぐ市場シェアを持ち、業界のトップを狙う企業です。積極的な価格競争や差別化戦略を用い、リーダー企業に対抗します。広告やプロモーションに力を入れたり、技術革新を武器にしたりと、攻めの姿勢が特徴です。リーダーの隙を突くことで、シェアを拡大することを目指します。

3. フォロワー(Follower)

リーダーやチャレンジャーの戦略を模倣し、市場で安定したポジションを確保する企業です。無理に競争するのではなく、既存の成功事例を活かしながら、コストを抑えた運営を行います。独自のリスクを負わずに、効率よく利益を得る戦略をとることが多いです。

4. ニッチャー(Nicher)

特定の市場や顧客層に特化し、大手と競争せずに独自のポジションを築く企業です。規模は小さいものの、専門性の高さや独自の価値を提供することで、安定した利益を確保できます。ニッチ市場でのブランド力を強化し、競争を回避するのが特徴です。

この4類型を理解することで、自社の立ち位置に応じた適切な戦略を選択し、市場での成功を目指すことができます。

本書では、競争地位の4類型の「フォロワー企業」向けに「選択と集中」よりも先に「リスクヘッジ競争戦略」を行うことを推奨してます。

なぜなら、フォロワー企業がうまくいかなかったときのリスクは倒産があるからです。「選択と集中」は成功談が独り歩きするものの、失敗談はなかなか耳にしません。

フォロワー企業は、特徴がない普通の企業という印象がありますが、経営はできています。「選択と集中」で既存顧客が離れることで新規顧客を獲得できなかったときに再起できない可能性があるからです。

著者は、「選択と集中」をやるまえに「リスクヘッジ競争戦略」を推奨してます。

リスクヘッジ競争戦略は、競争回避、顧客ロイヤリティ、持たざる強み、ポートフォリオ、試行錯誤の5つの方向性からなる12の戦略で構成されてます。

評価

著者は、フォロワー企業の活かし方を知っています。

理論も例もわかりやすく、フォロワー企業に本気で向き合って解決策を探していたからこそたどり着いた本と思います。

まさに、「選択と集中」で勝負に出るまえに読んでおいたほうがよい本です。

さいごに

著者の頭がよいだけでなく、機転が利いて、しかも優しい心の持ち主であることが本書の聡明さから受け取ります。

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