2024/09/21 (更新日:2024/09/21)

【増補改訂版】インバウンドマーケティング

書評, 用語

  • 「インバウンドマーケティングが創る、コンテンツSEOの新時代」

【増補改訂版】インバウンドマーケティング
著者:ブライアン・ハリガン (著), ダーメッシュ・シャア (著), 前田健二 (翻訳)
出版:2017年1月
長さ:368ページ
出版社:すばる舎

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  • こんにちは。さこまです。2024年1月1日から1日1冊のマーケティング書評ブログを始めました。マーケティング歴14年です。ホームページ制作会社を経営してます。

    ブログの毎日更新で3ヶ月目に月100万売上、6ヶ月目に1000万円を超えました。
    Amazonランキング100位以内のマーケティング本を参考に記事を読んだあなたが実践できて、豊かになる方法を伝えます。

本書は、インバウンドマーケティングの時代を先取りした一冊です。

インバウンドマーケティングとは、顧客のニーズに応じたコンテンツを提供し、自然な形で顧客を自社に引き寄せるマーケティング手法です。顧客の興味を引き、最終的にはファンにしていくことを目指しています。

具体的には、ブログやSNSを通じて有益な情報を発信し、学びや共感を与えることで、信頼を築き、好感を持たれることで、ファン化を促し、その結果として商品やサービスの購入に繋げていきます。

今日では、インバウンドマーケティングは当たり前の手法となっていますが、本書が英語で初めて出版された2009年当時は、非常に革新的な内容でした。

日本においては、2011年1月に『インバウンド・マーケティング』が出版され、その後、2017年に増補改訂版が刊行されています。

【このような方におすすめ】
・インバウンドマーケティングを知りたい方

このような方々は、本書をお手にとってみられると、気づきや学びがえられます。

著者は、インバウンド・マーケティング・ソリューション会社ハブスポットの共同創業者兼CEOです。

本書を読むと、インバウンドマーケティングを理解できます。

日本のインバウンドマーケティング事情

2012年4月、Googleの検索エンジンが「ペンギンアップデート」を実施しました。これは、ウェブサイトの品質をより重視し、低品質なリンクを排除する画期的なアップデートでした。この出来事をきっかけに、日本でもインバウンドマーケティングに対する注目が高まりました。そして、ホームページやブログを使って有益な情報を発信し、人々を自然に引き寄せる「コンテンツマーケティング」が重要視されるようになったのです。

出版された当時の事情(テレビとネット)

本書が初めて出版された時代、まだインターネットに対して「怪しい」というイメージが残っていました。ネットで商品を購入することや、SNSで人と交流することが普及しつつあっても、ネットでビジネスを行う企業に対しては、まともな会社かどうか疑われることが多かったのです。年間の広告費も、テレビが圧倒的に主流で、ネット広告はその影に隠れていました。

企業は、テレビCMやダイレクトメール、展示会やチラシなどを通じて積極的に顧客にアプローチする「アウトバウンドマーケティング」、いわゆる「プッシュ型」の手法を取っていました。ネットでも、メルマガや広告を駆使して、強引に商品やサービスを売り込むのが一般的でした。

そんな時代に現れたのが「インバウンドマーケティング」です。売り込むのではなく、有益な情報を発信し、顧客から自然に問い合わせをもらい、商品が売れていく。特に個人でビジネスを始める人たちにとって、インバウンドマーケティングは画期的な手法であり、ネットとの相性も抜群でした。

インバウンドマーケティングとは

有益なコンテンツを生み出し、消費者との深いつながりを築くこと。それは、人々を助け、必要としている情報を提供することで、自然と人々が集まってくる力を持っています。

本書は、インバウンドマーケティングを基盤にしたブログSEOに特化した一冊です。インバウンドマーケティングの概念が先にあり、それが時を経て進化し、「コンテンツSEO」という形でさらに広がっていきました。

インバウンドマーケティングが新しい時代の扉を開き、その後、コンテンツSEOがそれを受け継ぎ、企業がユーザーに本当に価値のある情報を届ける手段となっていったのです。

この本を手に取れば、以下の重要なテーマについて深く学ぶことができます。

  • ・インバウンドマーケティング
    ・ブログ
    ・SEO
    ・Facebookの活用
    ・ランディングページの設計
    ・ユーザビリティの向上

これらすべてが、現代のマーケティングにおける成功の鍵であり、あなたのビジネスを次のステージへと導いてくれるでしょう。

評価

本書は2011年にも読んだことがあり、今回の増補改訂版も手に取りましたが、正直なところ感想は当時と変わりません。確かに、インバウンドマーケティングの時代を先行していた本であることに変わりはありませんが、残念ながら、学べる内容は思ったほど多くありませんでした。

368ページもの分量に時間をかけて読むよりも、「インバウンドマーケティング」と検索すれば、すぐにネット記事で十分な情報を得られる現代において、この本が与える価値は少ないと感じます。

インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの対比やその革新性については評価できますが、肝心の本の内容が薄かったため、読んでいて「著者は本当にこの手法を発明した人なのだろうか?」という疑問が湧いてしまいました。むしろ、インバウンドマーケティングという言葉を早くキャッチし、他者のノウハウを集めて本にまとめただけの人だったのではないか、そんな印象さえ受けました。

もっといえば、深みのある知見を期待していただけに、残念でした。

名言

  • インターネットは「突き抜けた」アイデアを、速いスピードで伝播させる。逆に平凡なアイデアが人々に知られることはない P53

    突き抜けて注目されたいのならば、あなたの製品や会社について、突き抜けたコンテンツを用意しなければならない P64

    「コンテンツ工場」を作れ! P65

    人が継続して見たくなる」秀逸なコンテンツを作ること P79

    ブログは、一度始めたからには、継続させること P81

さいごに

本書の評価が低いのは、時代が進んだからではなく、インバウンドマーケティングの深みに接触しなかったからだと思います。

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