2024/01/13 (更新日:2024/01/15)
Branding 本質から学ぶ付加価値の意味|関野 吉記
- 勝ち残るためにブランディングの発想を転換!
>>【Amazon】Branding 本質から学ぶ付加価値の意味|著 関野 吉記
本書は、中身をパラパラっとめくったとき、引き込まれなかったので購入しませんでした。ではなぜ、本書を手に取っているかというと、どこのブックオフに行っても最新コーナーに置いてあったからです。
東京都や神奈川のブック・オフには、だいたい置いてあって、それも200円コーナーにあるわけではありません。最新コーナーで目立っているのです。ここまでブックオフにあると気になり、200円だったので購入しました。
どこのブック・オフに行ってもあるのは、著者がブックオフ回って売って知名度を上げようとしたのか、著者が無料で配り、もらった人が売っているのかと思いました。
そのような印象から始まった本書ですが、中身は従来の考え方を変える本でした。
ブランディングの変化
タイトルにブランディングや付加価値とありますが、マーケティングというより、経営に関する本といった印象です。王道のブランディングといえば、ロゴやパッケージ、デザインや有名人の広告でイメージを作り上げます。
しかし、それは従来の方法でコロナになってからはデータ収集と分析がブランディングのベースとなり、そこから生活者が求めている売れ筋などを徹底的にリサーチします。お客のニーズを持つことで的確な商品の提案ができるなど、データを利用することが付加価値となり、企業の存続になること。
それらのデータを利用して、人材に投資することで企業が発展していくという理論です。技術が進歩しても鍵を握るのは人だからです。
残念な点
本書が気になった方が勘違いをしないようにいくつか記載します。
フリーランスや一人社長に向かない:経営やマネジメントの話がメインとなってます。
経営に興味がなければ読まない方がよい:「付加価値をつけるには、このような方法がある」といったノウハウや方法論を提示する本ではありません。そのため、読んでもすぐに実践できることはありません。
著者は、頻度高く出版をされてます。一定のファンがついていることが予想されますが、セミナー集客をかねて出版しているように見えます。もし渾身のロングセラーとなる本を出したときは、すごく興味があります。それほどに「考えを変えさせる」ということに長けているようにみえます。
本書のポイント:考え方を変えてくれる
昭和世代の考え方を変えてくれます。私も昭和を少しだけ経験してますが、40~60代の経営者の考え方を変えさせてくれます。「言われてみれば、これは古かった。」とよい意味で後悔を与えてくれます。
本書では、小手先な方法は一切教えていないところにとても共感を持てます。方法論ではなく、その人が持つ当たり前に思っていた古い考えを変えてくれます。一定のファンがいることも納得できます。
このような方におすすめ
・30、40、50代の昭和世代社長
・昔のやり方が染み付いて取れない
・昭和の根性論の方がよくみえる
・社会問題で会社の方針を決めかねている
・これから会社を拡大して人材を増やす
では、早速ご紹介しましょう。「Branding 本質から学ぶ付加価値の意味」です。
成功体験にとらわれる人々
一代で社長として成功を体験すると、その方法が正しいと信じ切ってしまいます。成功するに至るまでに得た古い情報を信じ切って新しい情報を入れない傾向にあります。それは、成功するまでの仕事のノウハウだけでなく、習慣にも現れます。
昭和の努力論がよい例です。日夜問わず、ひたすら働くといったものです。ただ、今はワークライフバランスや過労死の問題があります。数々の成功体験を重ねた人たちは、社会で話題となっている新しい情報が目に入っていても、それに合わせて変化することができないのです。それが成功体験にとらわれるということです。
社長の成功体験が会社に変化をもたらさず、事業も会社のやり方も変わらないのです。
他社の成功事例も同じ
よくマーケティングでは、他社の成功事例を自社に用いることをします。しかし、これも先程の成功体験にとらわれていることと同じということです。
成功事例は、厳しい社会で生き残った方法であるので、価値があると評価されます。しかし、コロナから社会情勢は大きく変わったので、成功事例を用いることは同じように成功するとは限らなくなっているということです。
入社した人が子会社の社長
昭和時代の人には考えられないことです。年功序列や終身雇用で会社に入ってから10年はどろのように働くことが求められ育ちました。
サイバーエージェントは、年間10の子会社で新事業を展開しているようです。子会社の社長は皆若く入社1年目でこの前まで学生だった人が社長となるのです。
ここからは予測ですが、10社のうち2社が成功すれば、元は取れますし、失敗した8社の社長に経験値を与えられるので、それも良しとしているのではないかと考えてます。
付加価値の結論
社会問題で答えを得ることは難しいので、会社経営で正解がないから付加価値をつける。といったニュアンスで理解しました。
強引に付加価値に持っていっているように見えますが、社会問題がどうであっても付加価値をつけてサービスを提供することが我々の役割であることを教えてくれます。
目まぐるしい社会で感染症、戦争、労働問題など、目を引き我々の注意が取られてしまいます。その中でも付加価値をつけてサービスするというあたりまえのことで、すごく本質的なことではないかと理解しました。
本書のイメージ(ツールではなく、ソフトウェア・アップデート)
本書は、ノウハウというより、社会情勢や時代から見た考え方を変える本です。古い考え方を新しい時代に合わせてアップデートしてくれます。
たとえるなら、よくあるノウハウ本はパソコンにツールを落として効率を上げたり、使いやすくします。目に見えて、変化を体験できます。しかし、本書はソフトウェアをアップデートされます。経営者の視点を変えているようです。
Amazonレビューに、ある程度の会社経営をしないとわからないかもしれないと書いてありました。そうかもしれません。経営全体の話があり、方法論はないので理解する人を選ぶと思います。特に昭和のおじさんには刺さります。笑
さいごに
本書の中で著者が「もし学校経営者で野球部を甲子園に導くなら」の過程が書かれていました。さすがコンサルタントと思うほど、具体的な計画を瞬時に書かれているように見えます。ここは、めちゃ面白かったです。
昭和の人間は、読んでてグサッとくることがあります。それは著者が説教や厳しめの言い方をしているわけではなく、社会情勢や現代社会から自分のしていることの間違えに気づきを与えてくれます。
著者がコンサルされた会社と思われますが、ビジョンマップで会社の未来図を6ヶ月考えて作られたものが、想像のはるか100倍のスケールで笑ってしまいました。これなら社員もモチベも上がりますし、採用でビジョンをみせられたら、まず入りたいと思います。
さいごのさいごに
1回読めば十分ですが、しっかり読むと本の価値がわかる本です。定期的に出版されていることから優秀なコンサルタントであることがわかります。
関連記事
新着記事
おすすめ記事
おすすめ記事は現在ありません
オファー記事
おすすめ記事は現在ありません